Pyhonの数値計算や文字列の基本

Pyhonの数値計算や文字列の基本 Pythonの基本

プログラミングでは、数値の計算や文字の操作は基本となる重要な機能です。
Pythonでも、これらは頻繁に使われます。

Pythonでは、数値はそのまま扱うことができ、文字列はシングルクォーテーション(’)またはダブルクォーテーション(”)で囲んで表現します。
例えば、10 や 3.14 は数値として扱われ、’Python’ や “プログラミング” は文字列として扱われます。

この記事では、Pythonの数値計算と文字列の操作について、初心者にもわかりやすく解説していきます。
基本的な使い方を学びながら、Pythonのプログラミングに慣れていきましょう。

  1. Pythonで使うデータ型とは
    1. データ型とは?
    2. Pythonでデータを表示する(print関数)
    3. データ型とは?データ型の種類
    4. 数値型(int, float)で計算する
    5. 文字列型(str)で文字を扱う
    6. データ型の違いによるエラー
    7. データ型を意識してプログラミングしよう!
  2. 数値の計算とは?
    1. Pythonでの基本的な計算
    2. Pythonでは print() を使わなくてもOK
    3. 3. 計算の順番(演算子の優先順位)
    4. まとめ
  3. 数値の表現
    1. 整数(int)と浮動小数点数(float)
    2. 小数点の省略記法
    3. 大きな数値や小さい数値の表現(指数表記)
    4. まとめ
  4. 数値演算の決まりや注意点
    1. 四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)
    2. 整数の割り算(商と余り)
    3. べき乗(累乗)
    4. 浮動小数点数の誤差に注意
    5. 浮動小数点の誤差を修正(round関数)
    6. まとめ
  5. 数値のデータ型の変換について
    1. 小数を整数に変換(切り捨て)
    2. 整数を浮動小数点数に変換
    3. 文字列を数値に変換
    4. 文字列の変換エラーに注意
    5. 変換できない文字列はエラーになる
    6. まとめ
  6. 文字列の基本とクォーテーションの扱い方
    1. クォーテーションを文字列として表示する方法
    2. クォーテーションを文字列として扱う方法
    3. 方法② エスケープシーケンスを使う( \ )
    4. 方法③ クォーテーション3つで囲む
    5. まとめ
  7. 改行して文字列を表示する方法
    1. クォーテーション3つ(ヒアドキュメント)を使う方法
    2. エスケープシーケンス \n を使う方法
    3. 正しい方法:エスケープシーケンス \n を使う
    4. ヒアドキュメントと \n の内部的な関係
    5. まとめ
  8. 文字列の掛け算と数値の文字列変換
    1. 文字列の掛け算(繰り返し表示)
    2. 数値を文字列に変換する(str())
    3. 3. str() の型を確認する
    4. 文字列型に変換するメリット
  9. まとめ

Pythonで使うデータ型とは

データ型とは?

プログラミングでは、扱うデータの種類(数値や文字など)を 「データ型」 として分類します。
Pythonでは、データ型によって できることが異なり、適切な操作をしないとエラーが発生することがあります。

例え:データ型は「食器」みたいなもの

料理に合った食器を使うように、プログラミングでもデータ型に合った操作をする必要があります。

  • スープ には スプーン が適している
  • パスタ には フォーク が必要

もし、スプーンでパスタを食べようとすると上手くいかないように、Pythonでも適切なデータ型を使わないとエラーになります。

Pythonでデータを表示する(print関数)

Pythonでは、print(値) を使うことで、画面に値を表示できます。これは「プリント関数」と呼ばれ、入力された値を出力する役割を持っています。

例:数値の出力

print(42)
print(9.81)

実行結果

42
9.81

数値はそのまま出力されます。

例:文字列の出力

print('りんご')
print("Pythonを学ぼう!")

実行結果

りんご
Pythonを学ぼう!

文字列(テキスト)は、シングルクォーテーション ' ' またはダブルクォーテーション " " で囲む必要があります。


データ型とは?データ型の種類

Pythonでは、データの種類(データ型)によって、できることが異なります。

データ型説明
int(整数)10, -5, 100小数点のない数値
float(浮動小数点数)3.14, -0.5, 2.718小数点を含む数値
str(文字列)"Python", 'こんにちは'文字や文章を表すデータ
list(リスト)["りんご", "バナナ", "みかん"]複数のデータをまとめる
dict(辞書型){"名前": "田中", "年齢": 25}「キー」と「値」のペアでデータを管理
bool(真偽値)True, False「はい/いいえ」の2択を表す

数値型(int, float)で計算する

Pythonは電卓のように、数値の計算ができます。

print(10 + 5)  # 足し算
print(20.5 - 4.2) # 引き算
print(100 * 2) # 掛け算
print(50 / 5) # 割り算

実行結果

15
16.3
200
10.0

例え:数値は「お金」や「温度計」

  • int(整数) → 「お札(100円、500円)」
  • float(小数) → 「温度計(36.5℃)」

Pythonの数値型は、数学の計算と同じように使える のが特徴です。


文字列型(str)で文字を扱う

文字列は、+ を使うとつなげることができます。

print("おはよう" + "ございます")

実行結果

おはようございます

Pythonでは、数値とは違い、文字列を計算することはできません。


データ型の違いによるエラー

数値と文字列を + で足そうとすると、Pythonはエラーを出します。

print(5 + "アップル")

実行結果(エラー)

TypeError: unsupported operand type(s) for +: 'int' and 'str'

数値と文字列は直接足せません。


また、文字列の引き算もできません。

print("Python" - "プログラム")

実行結果(エラー)

TypeError: unsupported operand type(s) for -: 'str' and 'str'

データ型を意識してプログラミングしよう!

データ型をしっかり理解すると、エラーを減らし、正しくプログラムを書くことができます。

ポイント

  1. 数値(int, float) は計算できる
  2. 文字列(str) は「+」でつなげられるが、計算はできない
  3. 異なるデータ型を組み合わせるとエラーが出る

Pythonでは、データ型の違いを意識しながらコードを書くことが大切です!

数値の計算とは?

プログラミングで最も基本的な処理のひとつが「数値計算」です。
コンピュータは膨大な計算を高速に処理できるため、日常生活のさまざまな場面で活用されています。

例えば、Pythonだけでなく、Excelの関数会計ソフト の裏側でも数値の計算が行われています。また、政府の統計分析AIの開発(ChatGPTなど) でも、膨大なデータの計算が欠かせません。

Pythonでは、シンプルな式を書くことで、簡単に数値を計算できます。


Pythonでの基本的な計算

Pythonでは、四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算) をそのまま使うことができます。

print(5 + 3)  # 足し算
print(10 - 4) # 引き算
print(6 * 2) # 掛け算
print(9 / 3) # 割り算

実行結果

8
6
12
3.0

ポイント:

  • + → 足し算
  • - → 引き算
  • * → 掛け算
  • / → 割り算

Pythonの数値計算は、日常で行う計算と同じように使えます。例えば、

  • 商品(500円)と商品(300円)を買ったら合計はいくら? → 500 + 300 = 800円

Pythonでは print() を使わなくてもOK

PythonのコードをJupyter Notebook(Google Colabなど)で実行する場合、print() を使わなくても、セルの最後の行 の計算結果が自動的に表示されます。

例:Google Colab での実行

3 + 2

実行結果

5

print(3 + 2) と書かなくても、最後の行に書かれた 3 + 2 の結果が自動的に表示されます。
ただし、複数の計算を同時に表示したい場合は print() を使う必要があります

print(3 + 2)
print(10 - 7)

実行結果

5
3

3. 計算の順番(演算子の優先順位)

Pythonでは、数学と同じ計算ルール(演算子の優先順位) が適用されます。

print(2 + 3 * 4)  # 掛け算が優先
print((2 + 3) * 4) # ()で囲むと足し算が優先

実行結果

14
20

ポイント:

  • 掛け算・割り算足し算・引き算より先に計算される
  • 優先させたい計算は ( ) で囲む

Pythonの計算は、料理のレシピと同じように順番が決まっています。
例えば、カレーを作るときは、「先に材料を切る」→「炒める」→「煮込む」→「味付けをする」という順番があります。
同じように、Pythonの計算も「先に掛け算・割り算」→「後から足し算・引き算」というルールが決まっています。


まとめ

Pythonでは、日常的な数値の計算を簡単に行うことができます。

  • +-*/ を使って基本的な計算が可能
  • Google Colab では print() を省略しても出力される
  • 計算の順番(演算子の優先順位)を意識する

次は、整数と小数の違いや、Python特有の計算方法について詳しく見ていきましょう。

数値の表現

Pythonでは、数値を扱う際に「整数(int)」と「浮動小数点数(float)」の2つがよく使われます。
これらは計算において重要な役割を果たし、Pythonのコードを書く上で基本となる概念です。


整数(int)と浮動小数点数(float)

Pythonでは、数値が整数か小数かによってデータの種類(データ型)が決まります。

数値の種類説明
整数(int)7, -20, 500小数点のない数値
浮動小数点数(float)2.75, -8.3, 10.0小数点を含む数値

Pythonでは type() という関数を使うことで、数値の種類を確認できます。

print(type(7))       # 整数
print(type(2.75)) # 小数
print(type(-20)) # 負の整数

実行結果

<class 'int'>
<class 'float'>
<class 'int'>

ポイント:

  • 小数点が ないint(整数)
  • 小数点が あるfloat(浮動小数点数)

小数点の省略記法

Pythonの float では、小数点の左右どちらかの記述を省略できます。

print(type(9.))  # 9. は 9.0 と同じ
print(type(.25)) # .25 は 0.25 と同じ

実行結果

<class 'float'>
<class 'float'>

ポイント:

  • 9.9.0 と同じ(整数9ではなく、小数9.0として扱われる)
  • .250.25 と同じ(ゼロが省略されている)

このように、9. のような書き方をすると 自動的に小数(float) として扱われます。


大きな数値や小さい数値の表現(指数表記)

Pythonでは、非常に大きな数値や小さい数値を扱う場合、指数表記e を使った表記)が利用できます。

print(2e6)   # 10の6乗(2000000.0)
print(3e-3) # 10の-3乗(0.003)

実行結果

2000000.0
0.003

ポイント:

  • 2e62 × 10⁶(2000000.0)
  • 3e-33 × 10⁻³(0.003)

この表記法は、科学計算や機械学習のパラメータ調整 などでよく使われます。

Pythonには 複素数(complex) などの数値型もありますが、使用する場面が限られるため、ここでは省略します。


まとめ

Pythonの数値表現には、以下のような特徴があります。

  • 整数(int) → 小数点のない数値
  • 浮動小数点数(float) → 小数点を含む数値
  • type() を使えば数値の型を確認できる
  • 9..25 のような省略表記が可能
  • 指数表記(e)を使うと、大きな数値や小さい数値を簡単に表現できる

Pythonの数値の扱い方を理解して、計算をスムーズに進めていきましょう。

数値演算の決まりや注意点

Pythonでは、数値の計算を行う際に 整数(int)浮動小数点数(float) を自由に組み合わせて使うことができます。数値同士の演算では、ほとんどの演算子を問題なく使用することができます。

まずは、基本的な四則演算を確認してみましょう。


四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)

Pythonでは、次のような記号を使って計算を行います。

  • +(足し算)
  • -(引き算)
  • *(掛け算)
  • /(割り算)

サンプルコード

7500 + 450 - 1200  # 足し算と引き算
15 * 6 # 掛け算
72 / 9 # 割り算

実行結果

6750
90
8.0

Pythonでは、整数と整数の割り算も、結果は小数(float)になります

25 / 4

実行結果

6.25

他の言語では、整数の割り算は整数に切り捨てられる場合もありますが、Pythonでは割り切れても 小数として計算される のが特徴です。


整数の割り算(商と余り)

整数同士の割り算で小数を出さずに整数だけを取得したい場合は、// を使います。

25 // 4

実行結果

6

また、余りを求めたい場合は % を使います。

25 % 4

実行結果

1

つまり、25 ÷ 4 の商は 6、余りは 1 となります。


べき乗(累乗)

べき乗(累乗)とは、同じ数を繰り返し掛ける計算 のことです。
例えば、次のような計算がべき乗になります。

  • 2³(2の3乗) → 2 × 2 × 2 = 8
  • 5⁴(5の4乗) → 5 × 5 × 5 × 5 = 625

Pythonでは、** を使うことでべき乗(累乗)を計算できます。

3 ** 5

実行結果

243

これは、3 × 3 × 3 × 3 × 3 = 243 という意味になります。

Google検索では ^(キャレット)を使ってべき乗を計算できますが、Pythonでは ^XOR(排他的論理和) という別の計算を行うため、間違えないように注意しましょう。


浮動小数点数の誤差に注意

Pythonでは、浮動小数点数(小数)を扱う際に、計算結果が完全に正確にならない場合があります

サンプルコード

5 * 2.7

実行結果

13.499999999999998

また、次のような計算でも誤差が生じることがあります。

0.1 + 0.1 + 0.1

実行結果

0.30000000000000004

コンピュータは数値を 0と1の2進数で処理する ため、浮動小数点の計算では ごくわずかな誤差 が生じることがあります。


浮動小数点の誤差を修正(round関数)

正確な計算結果を得るために、round() を使って 小数点の桁数を指定して丸める ことができます。
ound() 関数を使うと、小数点以下の桁数を指定して数値を四捨五入できます。

使い方は、round(計算したい数値, 小数点以下の桁数) のように書きます。
例えば、round(5 * 2.7, 1) の場合:

  1. 四捨五入したい計算(ここでは 5 * 2.7)を round() のカッコの中に入れる
  2. カンマ(,)の後に、小数点第何位まで残したいかを指定(ここでは 1 → 小数第1位まで)

これにより、小数第2位の値を四捨五入して 「13.5」 という結果になります。

round(5 * 2.7, 1)

実行結果

13.5

このように、round(数値, 小数点以下の桁数) の形で使用すると、誤差を防ぎながら計算を行うことができます。


まとめ

Pythonでは、さまざまな数値演算が可能です。

  • +(足し算)、-(引き算)、*(掛け算)、/(割り算)は自由に使える
  • 割り算 /必ず小数(float)になる
  • 整数の商だけを求めるなら //、余りを求めるなら % を使う
  • ** を使うと、べき乗(累乗)を計算できる
  • 浮動小数点数は わずかな誤差が発生することがある
  • round(数値, 小数点以下の桁数) を使うと、誤差を修正できる

Pythonの数値演算を正しく理解し、計算をスムーズに進めていきましょう

数値のデータ型の変換について

Pythonでは、整数(int)浮動小数点数(float) を混ぜて計算することができます。
これは、整数を小数に変換したり、小数を整数に変換したりすることが可能 であることを意味します。

Pythonには、数値の型を変換するための関数が用意されています。

変換したい型使う関数
整数(int)に変換int()
浮動小数点数(float)に変換float()

小数を整数に変換(切り捨て)

int() を使うと、小数点以下を切り捨て て整数に変換することができます。

サンプルコード

print(int(98.765))  
print(int(0.999))

実行結果

98
0

ポイント:

  • int(98.765) → 小数点以下を切り捨てて 98
  • int(0.999) → 小数点以下を切り捨てて 0

int()四捨五入ではなく、切り捨て を行う点に注意しましょう。


整数を浮動小数点数に変換

float() を使うと、整数を小数に変換 できます。

サンプルコード

print(float(432))

実行結果

432.0

ポイント:

  • float(432)432.0 に変換(小数点がつく)

整数が 小数点付きの値に変換される ことで、計算時により柔軟に扱うことができます。


文字列を数値に変換

数値のように書かれた 文字列(”1234″ など) も、int()float() を使うことで、数値に変換できます。

サンプルコード

print(int("987654"))  
print(float("2.71828"))

実行結果

987654
2.71828

ポイント:

  • int("987654") → 文字列 "987654" を整数 987654 に変換
  • float("2.71828") → 文字列 "2.71828" を小数 2.71828 に変換

文字列の変換エラーに注意

文字列を int() に変換するとき、小数点を含む文字列は変換できません

サンプルコード

print(int("7.5"))  # エラーになる

エラー

ValueError: invalid literal for int() with base 10: '7.5'

このエラーを回避するには、まず float() で変換してから int() に変換します。

サンプルコード

print(int(float("7.5")))  

実行結果

7

ポイント:

  • float("7.5")"7.5" を小数 7.5 に変換
  • int(7.5)7.5 を整数 7 に変換(切り捨て)

変換できない文字列はエラーになる

数値として認識できない文字列を変換しようとすると、エラーになります。

サンプルコード

print(int("二〇二四"))  # 漢数字
print(int("1,500,000")) # カンマ区切り

エラー

ValueError: invalid literal for int() with base 10: '二〇二四'
ValueError: invalid literal for int() with base 10: '1,500,000'

ポイント:

  • 漢数字(”二〇二四” など)は int() では変換できない
  • カンマ区切りの数値(”1,500,000″ など)もそのままでは int() に変換できない

カンマを削除して変換するには、replace() を使います。

サンプルコード

print(int("1,500,000".replace(",", "")))

実行結果

1500000

ポイント:

  • .replace(",", "") を使ってカンマを削除し、変換可能な数値の形にする

まとめ

Pythonでは、int()float() を使って、数値の型を変換することができます。

  • int(数値)小数点以下を切り捨てて整数に変換
  • float(数値)整数を小数に変換
  • int("数値の文字列")数値の書式で書かれた文字列を整数に変換
  • float("数値の文字列")数値の書式で書かれた文字列を小数に変換
  • int(float("小数の文字列")) を使うと、小数の文字列も整数に変換できる
  • 漢数字やカンマ区切りの数値はエラーになるため、事前に処理が必要

Pythonの数値変換を正しく理解し、データを自由に扱えるようにしましょう。

文字列の基本とクォーテーションの扱い方

Pythonで文字列を扱うときは、シングルクォーテーション(’) または ダブルクォーテーション(”) で囲む必要があります。

print('こんにちは')
print("Pythonを学ぼう!")

実行結果

こんにちは
Pythonを学ぼう!

どちらのクォーテーションを使っても問題ありませんが、クォーテーション自体を文字として表示したいとき は注意が必要です。


クォーテーションを文字列として表示する方法

通常、Pythonは文字列を囲むクォーテーション を「開始」と「終了」を示すものと認識します。
そのため、以下のコードはエラーになります。

エラーの例

print("こんにちは "Python" の世界!")

エラー

SyntaxError: invalid syntax

Pythonは、最初の ""Python"" を対応するものと誤認し、エラーになってしまいます。

同じように、シングルクォーテーション内で ' を使う とエラーになります。

print('I'm learning Python!')

エラー

SyntaxError: unterminated string literal

Pythonは、I'm' を文字列の終わりと誤認してしまう ため、正しく認識できません。


クォーテーションを文字列として扱う方法

この問題を回避するために、Pythonでは 3つの方法 が用意されています。

方法① 別のクォーテーションで囲む

シングルクォーテーション (') を文字列として表示したい場合は、文字列をダブルクォーテーション (") で囲む と解決できます。

逆に、ダブルクォーテーション (") を文字列として表示したい場合は、シングルクォーテーション (') で囲む ことで解決できます。

print("こんにちは、'Python' の世界!")  
print('こんにちは、"Python" の世界!')

実行結果

こんにちは、'Python' の世界!
こんにちは、"Python" の世界!

ポイント:

  • シングルクォーテーションを表示したいダブルクォーテーションで囲む
  • ダブルクォーテーションを表示したいシングルクォーテーションで囲む

方法② エスケープシーケンスを使う( \ )

Pythonでは、バックスラッシュ( \ )をクォーテーションの前につける と、そのクォーテーションが文字列の一部として扱われます。

print("こんにちは、\"Python\" の世界!")
print('こんにちは、\'Python\' の世界!')

実行結果

こんにちは、"Python" の世界!
こんにちは、'Python' の世界!

ポイント:

  • \" を使うと、ダブルクォーテーション (") を文字列として扱える
  • \' を使うと、シングルクォーテーション (') を文字列として扱える

この方法を使えば、シングルクォーテーションとダブルクォーテーションが混ざった文字列も問題なく表示できます。

print("こんにちは、\"Python\" の世界! I'm learning it!")

実行結果

こんにちは、"Python" の世界! I'm learning it!

※注意
エスケープシーケンスを使うとコードが少し見づらくなるので、多用しすぎないようにしましょう。


方法③ クォーテーション3つで囲む

Pythonでは、3つのクォーテーション( """ または ''' で囲むと、クォーテーションの種類に関係なく、そのまま文字列として扱うことができます。

print("""こんにちは、"Python" の世界! I'm learning it!""")
print('''こんにちは、"Python" の世界! I'm learning it!''')

実行結果

こんにちは、"Python" の世界! I'm learning it!
こんにちは、"Python" の世界! I'm learning it!

ポイント:

  • """(ダブルクォーテーション3つ)または '''(シングルクォーテーション3つ)で囲むと、どんなクォーテーションもそのまま文字列として扱える。
  • エスケープ \ を使わなくてもいいので、コードが読みやすい。

この方法は、長い文章や、複数行にわたる文字列 を扱うときにも便利です。


まとめ

Pythonでクォーテーションを文字列として扱う方法は 3つ あります。

方法使い方メリット注意点
① 別のクォーテーションで囲む'Hello, "Python" world!'シンプルで読みやすい'" が混在すると使えない
② エスケープシーケンス( \ )を使う"Hello, \"Python\" world!"どんなクォーテーションでも使えるコードが少し見づらくなる
③ クォーテーション3つで囲む"""Hello, "Python" world!"""どんな文字列でもそのまま書ける本来は別の目的(長文用)

Pythonでは、用途に応じて最適な方法を選んで クォーテーションを文字列として扱いましょう!

改行して文字列を表示する方法

Pythonでは、複数行にわたる文字列を表示 する方法として、クォーテーション3つ(''' または """ を使う方法と、エスケープシーケンス(\n を使う方法の2つがあります。


クォーテーション3つ(ヒアドキュメント)を使う方法

クォーテーション3つで囲むと、改行を含む文字列をそのまま扱うことができます。
この形式は、「ヒアドキュメント(here document)」 と呼ばれます。

サンプルコード

print("""データ分析
---
データ分析とは、数値や統計情報を活用して、意味のある結論を導き出す手法である。""")

実行結果

データ分析
---
データ分析とは、数値や統計情報を活用して、意味のある結論を導き出す手法である。

ポイント:

  • '''(シングルクォーテーション3つ)または """(ダブルクォーテーション3つ)で囲むと、改行を含めてそのまま出力される。
  • 長い文章や説明文を扱うのに便利。

エスケープシーケンス \n を使う方法

Pythonでは、文字列の中に \n を入れることで、改行を指定できます。

エラーの例(間違った改行方法)

print("Hello,
Python
world!")

エラー

SyntaxError: unterminated string literal

このエラーは、文字列を1つの " または ' で囲んでいるのに、途中で改行してしまった ために発生します。


正しい方法:エスケープシーケンス \n を使う

改行したい場所に \n を入れることで、1行のコード内でも改行を表現できます。

print("Hello,\nPython\nworld!")

実行結果

Hello,
Python
world!

ポイント:

  • \n を使うと、改行したい場所を明示できる。
  • 1行の文字列として扱われるため、コードがスッキリする。

ヒアドキュメントと \n の内部的な関係

実は、クォーテーション3つで囲んだ文字列(ヒアドキュメント)も、内部的には 改行コード \n が自動的に挿入されている と考えることができます。

例えば、次のコード:

print("""データ分析
---
データ分析とは、数値や統計情報を活用して、意味のある結論を導き出す手法である。""")

これは、内部的には次のように解釈されます:

("データ分析\n---\nデータ分析とは、数値や統計情報を活用して、意味のある結論を導き出す手法である。")

つまり、ヒアドキュメントを使うと、Pythonが自動で \n を挿入している ということになります。


まとめ

Pythonで改行を含む文字列を扱う方法は 2つ あります。

方法使い方メリット注意点
① クォーテーション3つで囲む(ヒアドキュメント)"""複数行のテキスト"""改行をそのまま表現できる長い文字列向き
② エスケープシーケンス \n を使う"Hello,\nPython\nworld!"1行のコードで改行を表現できる\n を入れる必要がある

Pythonでは、どちらの方法も便利なので、用途に応じて使い分けましょう!

文字列の掛け算と数値の文字列変換

Pythonでは、文字列の連結繰り返し表示 を簡単に行うことができます。また、数値を文字列に変換 することで、さまざまな操作が可能になります。


文字列の掛け算と数値の文字列変換

Pythonでは、文字列の連結繰り返し表示 を簡単に行うことができます。また、数値を文字列に変換 することで、さまざまな操作が可能になります。

文字列の掛け算(繰り返し表示)

文字列に + を使うと、2つの文字列を連結 できますが、* を使うと 同じ文字列を繰り返し表示 することができます。

サンプルコード

print("Python" * 3)

実行結果

PythonPythonPython

ポイント:

  • "文字列" * 回数 の形で書くと、指定した回数分、文字列を繰り返して表示 できる。
  • "Python" * 3"PythonPythonPython" となる。

この機能は、装飾文字を繰り返すとき などに便利です。

print("=" * 10)

実行結果

==========

こうすれば、区切り線やデザインの調整にも活用できます。


数値を文字列に変換する(str())

Pythonでは、int()float() を使って、文字列の数値を数値型に変換 しました。
逆に、数値を文字列に変換 するには str() を使います。

サンプルコード

print(str(987))
print(str(3.14))

実行結果

'987'
'3.14'

ポイント:

  • str(987)数値 987 を文字列 '987' に変換
  • str(3.14)小数 3.14 を文字列 '3.14' に変換

3. str() の型を確認する

type() を使うと、変換後のデータ型を確認できます。

サンプルコード

print(type(str(987)))
print(type(str(3.14)))

実行結果

<class 'str'>
<class 'str'>

str() を使うと、数値が 文字列型(str に変換されることがわかります。


文字列型に変換するメリット

数値を 文字列に変換する理由 はいくつかあります。
例えば、整数の桁数を知りたい ときに len() を使う方法があります。

サンプルコード

print(len(str(98765)))

実行結果

5

ポイント:

  • str(98765)数値 98765 を文字列 '98765' に変換
  • len('98765')文字列の長さ(桁数)を取得(5桁)

この方法を使えば、どんな数値でも 簡単に桁数を求める ことができます。


まとめ

Pythonでは、文字列と数値を柔軟に扱うことができます。

  • "文字列" * 数値文字列を繰り返し表示 できる
  • str(数値)数値を文字列に変換 できる
  • type(str(数値)) で、データ型を確認可能
  • len(str(数値)) を使うと、整数の桁数を取得 できる

Pythonの文字列操作を理解して、より柔軟なプログラムを書いていきましょう!

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